第5回 「都市環境と交通」集団研修コース
2008年09月29日 - 11月8日
名古屋、京都、東京ほか

UNCRDは、独立行政法人国際協力機構(JICA)と共催で、環境的に持続可能な交通(EST)などの交通政策を通じた都市環境の改善を目的として、標記研修コース(全5回)を実施しています。最終年となる今回の研修には、チリ、中国、コロンビア、エクアドル、ラオス、モンゴル、シリア、タンザニア及びタイの9カ国から都市環境や交通を担当する中堅行政官10名が参加しました。

UNCRDでは、ESTの主要な課題として、
  1. 健康への影響

  2. 交通安全及び道路の維持

  3. 交通騒音規制

  4. 社会的公平とジェンダーの視点

  5. 公共交通計画と交通需要管理(TDM)

  6. 非動力交通(自動車などに依存しない交通)

  7. 人と環境にやさしい都市交通インフラ

  8. よりクリーンな燃料

  9. 道路沿道環境モニタリング及び評価の強化

  10. 自動車排出ガス規制・車検

  11. 土地利用計画

  12. 情報基盤の強化・啓発活動・市民参加の促進


の12項目を挙げています。本研修では、これらの分野の専門家による都市環境と交通に関する講義及び演習、日本や諸外国の事例を使っての事例発表に加えて、行政機構、自動車製造工場、警察、自動車排気ガス測定局、リサイクルバイオ燃料化施設、研究機関、車検場などの施設及び日本で初となるガイドウェイバスや東部丘陵線(リニモ:リニアモーターカー)といった新交通に関する視察を行いました。

今回初めて視察先として訪れた京都市は、年間約5,000万人の観光客が訪れる世界的な観光都市である一方、春・秋の観光シーズンを中心に市内の交通渋滞が深刻な問題となっています。これに対し、京都市役所の担当職員の方から京都市における交通政策、これまでに行われた交通社会実験の内容や今後の課題・取り組みについての講義を伺うとともに、家庭やレストランから排出される廃食油(使用済みてんぷら油)のバイオ燃料化施設への視察を実施しました。また、東京では、整備された都市交通網を実際に利用しながら環境省、国土交通省及び運輸政策研究所を訪れ、講義を受けました。

研修の途中には、これまでの研修内容を振り返りつつ、研修生の間で自国における都市環境と交通に関する経験・技術的専門知識に関する意見交換、課題の明確化と必要な対策・戦略に関する議論を行いました。そして研修の最後には、持続可能な交通の導入に向けてのアクションプランを作成し、政策立案・策定内容の向上を図りました。コロンビアの研修生からは、既存の専用レーンを持つ高度化基幹バスシステム(BRT)に新たに鉄道を組み合わせて都心部の渋滞解決を図るという内容についての発表が行われるなど、各国の状況に沿った個性的なレポート発表となりました。

交通需要の増大は社会経済的に不可欠ですが、環境保全と調和していく必要があります。研修生には、自国の情勢を十分に踏まえた上でこの研修で学んだことを活かし問題解決を図り、持続可能な都市環境実現に向け積極的に取り組んでいくことが期待されます。

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