中央アジア地域-地域資源を活かした内発的地域経済開発研修コースU
2012年11月13日 - 12月15日
名古屋、岐阜、東京ほか

  1. 目的と背景
    中央アジアは、1991年の独立以降、各国とも市場経済化を進めた結果、マクロ経済環境は安定してきていますが、中央と地方、都市部と農村部における格差は拡大してきています。特に主要な産業やエネルギー・鉱物資源に恵まれない地方農村部では、市場経済化が既存産業の衰退を招き失業者が増加、貧困率は依然として高いままです。さらにはソ連時代には安全対策として機能していた社会保障制度の崩壊が貧困層を直撃しています。

    人間の安全保障の観点からも、貧困層に対して保護と能力開化の両面から施策を講じる一方、長期的にはこうした格差を是正し、国土全体として調和のとれた地域開発を実現することが重要な課題となっています。UNCRDはこうした中央アジアの地方農村部の状況に鑑み、内発的地域開発の必要性について理解を深めてもらう一方、各々の地域の特性や資源を最大限に活用した経済活性化に必要な施策や事業を立案・実施できる行政官等を育成するため、独立行政法人国際協力機構(JICA)と共催で、「地域資源を活かした内発的地域経済開発研修コース」を立ち上げ、過去3回実施してきました。

    中央アジア諸国はその研修効果を高く評価し、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタンの3ヶ国から、その継続が要請されました。これを受けUNCRDとJICAは「地域資源を活かした内発的地域経済開発研修コースU」の実施を決定、標記研修を実施しました。

  2. 研修期間
    第1回:2010年11月8日‐12月11日
    第2回:2011年11月15日‐12月17日
    第3回:2012年11月13日‐12月15日

  3. 研修場所
    愛知、岐阜、東京

  4. 研修対象者及び人数
    カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタンの3ヶ国から、農業、畜産業、林業および一次産品加工業の振興に携わる国および地方自治体の職員、第1回7名、第2回7名、第3回10名。

  5. 研修内容
    研修生は、自国(地域)の現状・課題分析、講義や視察を通じた内発的地域開発の概念やその促進のために必要な知識や技術の習得、自国への適用性の分析を行い、最後にアクションプランを作成しました。研修内容は、「地域開発概論」「内発的地域開発」を軸に構成され、研修生は、地域資源の発掘・活用方法、研究機関等による品種改良・普及指導、生産・加工・販売までを地域内で循環させる6次産業の創設、そのための施設整備・制度構築の必要性、そして行政と地域農業者等との協働の重要性について学びました。事例研究として、研修生は、郡上市の「道の駅明宝」や「明宝レディース」などの第三セクター方式による地域経済の活性化、飛騨高山市の地場産業振興、JA蒲郡市での農協制度による生産・販売促進、美浜町の農事組合法人鵜の美によるアグリツーリズム、東京のアンテナショップ「北海道どさんこプラザ」の販売促進の仕組みや、フラッグショップ「坐来大分」の地域ブランドの構築に向けた取り組みを視察・調査しました。

    最後に研修生は、研修修了後自国で実施すべき事業として、「ファイザバード地区農工産業体開発プログラム」「ヤンギュル・アグリツーリズム」「地域通年食品供給プロジェクト」等々、それぞれの地域の身近な地域資源を核にした具体的なアクションプランを作成し、発表しました。これら計画の帰国後の進捗状況は、フィードバックシートとして後日研修生より提出される予定です。

    中央アジア諸国では、地域振興のあり方をまだ模索している段階にありますが、研修生が今回の研修成果を持ち帰り、今後の職務に反映し、また職場内で共有することで、国及び地方自治体、地方民間団体、住民等の協働による内発的地域開発が活発に展開されるようになり、中央アジア諸国における国連ミレニアム開発目標(MDGs)1「極度の貧困と飢餓の撲滅」等の達成や持続可能な地域開発の実現への寄与が期待されます。

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