中南米地域 地域資源を活かした内発的地域経済開発研修コース
2013年02月13日 - 03月16日
名古屋、大分ほか

  1. 背景と目的
    中南米では、域内に比較的高い経済水準を達成している国があるものの、貧困国はもとより中進国も国内に局所的な貧困問題を抱えており、他の地域と比較しても国内の経済格差が著しい地域です。順調な経済成長を遂げている一方で、国内の貧富の格差はますます広がっており、社会的不安の原因にもなっています。こうした国内や地域内の格差を是正し、均衡ある国土の発展を確保していくためには、中央政府主導による地域開発だけでは限界があります。また、中南米地域は地方分権化が進んでいる一方で、行政能力においても都市と地方の格差が生じており、地方行政能力の強化が大きな課題となっています。地域産業の活性化・振興政策等において、地域資源を活かした地域主導型の内発的開発を進めていくことは不可欠です。そこでUNCRDはこうした中南米の地域間格差の状況を鑑み、内発的地域開発(EnRD: Endogenous Regional Development)の必要性について理解を深めてもらう一方、各々の地域の特性や資源を最大限に活用した経済活性化に必要な施策や事業を立案・実施できる人材を育成するため、独立行政法人国際協力機構(JICA)と共催で、標記研修コースを実施しました。

  2. 研修期間
    第1回Aコース:2010年1月11日―2月13日
    第1回Bコース:2010年2月15日―3月20日
    第2回Aコース:2011年1月4日―2月5日
    第2回Bコース:2011年2月13日―3月19日
    第3回Aコース:2012年1月4日―2月4日
    第3回Bコース:2012年2月14日―3月17日
    第4回Aコース:2013年1月6日―2月6日
    第4回Bコース:2013年2月13日―3月16日

  3. 研修場所
    Aコース:愛知、岐阜、東京、鹿児島(埼玉もしく三重)
    Bコース:愛知、岐阜、東京、大分

  4. 研修対象者及び人数
    第1回Aコース: コスタリカ、グアテマラ、ニカラグア、ドミニカ共和国の中米4ヶ国から農業、畜産業、林業および一次産品加工業の振興に携わる国および地方自治体の職員8名

    第1回Bコース: アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ペルーの南米7カ国から農業、畜産業、林業および一次産品加工業の振興に携わる国および地方自治体の職員11名

    第2回Aコース: コスタリカ、グアテマラ、ニカラグア、エルサルバドル、ドミニカ共和国、コロンビア、パラグアイの中南米7ヶ国から農業、畜産業、林業および一次産品加工業の振興に携わる国および地方自治体の職員10名

    第2回Bコース: アルゼンチン、ボリビア、チリ、エクアドル、ペルーの南米5カ国から農業、畜産業、林業および一次産品加工業の振興に携わる国および地方自治体の職員8名

    第3回Aコース: コスタリカ、グアテマラ、ニカラグア、エルサルバドル、ドミニカ共和国、コロンビア、エクアドルの中南米7ヶ国から農業、畜産業、林業および一次産品加工業の振興に携わる国および地方自治体の職員11名

    第3回Bコース: アルゼンチン、ボリビア、チリ、エクアドル、ニカラグア、パラグアイ、ペルー、ベネズエラの中南米8カ国から農業、畜産業、林業および一次産品加工業の振興に携わる国および地方自治体の職員13名

    第4回Aコース: アルゼンチン、チリ、コロンビア、コスタリカ、メキシコ、パラグアイの6ヶ国から農業、畜産業、林業および一次産品加工業の振興に携わる国および地方自治体の職員12名

    第4回Bコース: エクアドル、ベネズエラ、ドミニカ共和国、エルサルバドル、ニカラグアの5カ国から農業、畜産業、林業および一次産品加工業の振興に携わる国および地方自治体の職員10名計83名

  5. 研修内容
    研修では、自国(州・市町村)の現状・課題分析、講義や視察を通じた内発的地域開発の概念やその促進のために必要な知識や技術の習得、自国への適応性の分析を行い、最後に行動計画を作成しました。研修内容は、「地域開発概論」「内発的地域開発」を軸に構成され、「地域開発概論」では、日本における地域開発、行財政制度などについて学び、「内発的地域開発」では、地域資源の特性と活用、特産品の販売促進手法、協同農業普及事業について学ぶ一方、事例研究として、郡上市明宝の第三セクターを活用した地域づくり、東京のアンテナショップ等における特産品の販売促進のしくみや、地域ブランドの構築に向けた取り組みなどを視察しました。さらに参加国の実情やニーズに合わせて、AコースではJAめぐみのでの日本の農協制度や直売所のシステム、鹿児島県屋久島(埼玉県飯能市もしくは三重県鳥羽市)のエコツーリズムを視察しました。Bコースでは愛知県の農業総合試験所や農業大学校、大分県の一村一品運動や安心院のグリーンツーリズムの取り組みなどを視察しました。

    最後に研修修了後自国で実施すべき行動計画として、Aコースでは「カカオ生産地の地域開発」「ソモテ市特産菓子の価値及び生産に関する連携の強化」、「観光列車復活導入による地域活性化(パラグアイ)」「淡水湖のエコツーリズム(コスタリカ)」「地域資源を活かしたアグリツーリズムルートの開発」(エクアドル)、「先住民農業組合の強化と固有種保存」(ニカラグア)、Bコースでは「野生きのこの採集による内発的開発」「サプカイ市のグリーンスティールツーリズム」「ボリビア・カリサ市桃の生産再活性化(ボリビア)」、「地域資源を活用した新しい商品産出による農村開発(アルゼンチン)」「ペルーの網かご(ペルー)」など、それぞれの地域の状況を踏まえつつ、研修で学んだ手法等が随所に取り込まれた計画が発表されました。

    本研修においては、内発的地域開発の重要性を十分理解し、地域の資源を活かした産品やサービスの開発、地場産業の振興に必要な施策やプロジェクトの企画・運営ができるような行政官等が育成され、ファシリテーターとなり、その結果、官とコミュニティーが一体となって、貧困削減、地域経済の活性化に取り組むことができる環境が整えられることが期待されます。また、日本における、地域間格差を最小限に抑えながら経済発展を成し遂げてきた経験と政策ノウハウ、あるいは、現在途上国でも導入されている一村一品運動や道の駅など、これらの手法等を学ぶことによる地域開発の活性化の効果も期待されます。最終的には、本研修の後、地域に存在する資源を活用することで住民が持続的な発展を遂げ、地域の貧困が緩和する取り組みが実施されることを目標としています。

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