第5回JICA/UNCRDチリ「都市システム開発」研修コース
2003年09月22日 - 11月3日
名古屋

  1. タイトル
    第5回JICA/UNCRDチリ都市システム開発研修
    −持続可能な住環境整備と交通−
    5th JICA/UNCRD Training Course on Strategic Management of Urban Systems and Metropolitanization for the Republic of Chile
    −Sustainable Living Environment and Transport −

  2. 主催
    国際連合地域開発センター(UNCRD)
    国際協力事業団中部国際センター(JICA・CBIC)

  3. 研修対象者
    チリ中央政府・地方自治体の都市システム開発を担当する中堅行政職員

  4. 研修員数
    15人

  5. 受入期間
    2003年9月21日(日)から11月1日(土)
    (研修期間:9月26日(金)から10月30日(木))

  6. 背景
    UNCRDは、1999年度から国際協力事業団(JICA)との共催で、チリ中央政府及び地方自治体職員を対象に、全5回にわたる「都市システム開発研修」を行っている。過去4回の研修のうち、第1回は、交通、公害、ゴミ処理などの都市問題を総括的に概観し、これを受けた第2回は、都市交通に焦点を当て、「持続可能な都市交通システム」のための適切な管理・運営方法などを検討した。第3回は、都市環境問題に焦点を当て、日本やアジア諸国の環境対策事例を考察し、循環型社会形成のためのチリ都市システム開発を検討した。第4回研修は、「都市開発と住環境整備」をテーマとし、住環境の4つの基本理念―安全性、保健性、利便性、快適性−及び持続可能性がいかに確保されうるかを検討した。今回の第5回研修は、JICA・チリ政府と協議の上、「持続可能な住環境整備と交通」をテーマとし、環境に配慮した持続可能な住環境整備及び交通システムの構築の方策を、日本の制度面及び経験等を参考にしながら検討する。

  7. 研修の目的
    第5回研修では、「住環境整備」と「交通システム」に焦点をあて、日本とチリの事例を比較検討することによって、都市開発とそれに付随する問題への適切な戦略・戦術の開発、そのための官・民協力体制の構築や市民参加システムの形成を目標に、都市システム開発を総合調整、管理運営できる人材の養成を行う。

  8. 研修手法
    ケーススタディ中心の講義、現場視察、グループワークショップ等により、日本やアジアの都市住環境及び交通問題への取り組みを検討・分析し、チリとの比較を行う。研修員は、開発手法や制度の適用可能性の検討、代替案の提案を行い、講師、研修コーディネーター等を交えワークショップ形式で議論を交わす。その結果をグループディスカッションペーパーにまとめる。同時に研修員個人が直面する課題に対する対策について、個人のアクションプランをまとめ上げる。この作業を通じて、研修員の「問題解決型」又は「自主提案型」分析・企画・調整能力の向上を図る。

  9. 研修モジュール
    (1)持続可能な住環境整備と交通(概論)
    (2)日本の地方自治制度
    (3)都市開発と住環境整備
    (4)都市環境マネージメント
    (5)交通と環境
    (6)防災管理
    (7)まとめ

  10. 研修カリキュラムの構成

  11. 研修カリキュラム(PDF)

  12. 使用言語
    日本語・スペイン語の逐次訳


これまで「都市問題」や「都市交通」、「都市環境」、「都市開発と住環境整備」をテーマとしてきましたが、今回の第5回研修は、「持続可能な住環境整備と交通」をテーマとしました。

中央政府や地方政府の中堅行政官ら14名が参加して実施されたこの研修は、(1)持続可能な住環境整備と交通(概論)(2)日本の地方自治制度(3)都市開発と住環境整備(4)都市環境マネージメント(5)交通と環境(6)防災管理(7)全体まとめの7つのモジュールで構成され、環境に配慮した持続可能な住環境整備及び交通システムの構築の方策を講義だけでなく、東京都臨海副都心開発、四日市市の公害経験、山梨県リニア実験線などの現地視察を通して学びました。

研修生はすべての講義・現地視察に高い関心を示しましたが、その中でも特に倉敷市の歴史的町並み保存運動に高い感銘を受けていました。それは、保存に対する住民の意識が十分でないために価値ある文化財が失われていっているチリの現状に対し、倉敷市では歴史的町並みの保存が地域住民の主体的取組みによってなされてきたことに高い感銘を受けたためです。また、倉敷市以外の各視察先において行政運営における住民参加の重要性は非常に強く示唆されており、今後チリにおいても住民参加による行政運営が欠かすことのできないものになるということを強く認識したようです。

最後に研修生は各自の自国での立場における、アクションプランを作成し、「アイセン地区の住民参加型まちづくり」「サンティアゴ−バルパライソ間の高速鉄道の整備」「マウレ地域の歴史遺産の保全」などの研修内容を反映したプランが発表されました。

研修生は今後、研修で学んだことを個人だけのものにすることなく、職場の上司・同僚などと研修成果を共有し、さらには行政機関内だけに留まらすことなく、積極的に住民に対して公開・共有していく姿勢をもって、住民参加を促し、より良い行政運営に活かすことが期待されています。


研修生の感想
パトリシア・コルバラン氏(チリ企画調整省地域局 投資分析官)
来日前から今回の研修を大変楽しみにしていました。受講に際してはこの研修で学んだことを全て自国に持ち帰ろうという強い意志で望みました。いたるところで暖かい歓迎を受け、来日が9月22日という季節的にも恵まれた滞在期間で、日本での生活はたいへん快適でした。日本の美しい都市や建築物、そこに住む人々が持つ歴史を肌で感じることができました。チリ研修員全員が今回の研修に心から満足しています。

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