第4回JICA/UNCRDチリ「都市システム開発」研修コース
2002年09月15日 - 10月27日
名古屋、奈良 ほか

  1. タイトル
    第4回チリ都市システム開発研修コース 
    −都市開発と住環境整備−
    4th JICA/UNCRD Training Course on Strategic Management of Urban Systems and Metropolitanization for the Republic of Chile
    −Urbanization and Living Environment−

  2. 主催
    国際連合地域開発センター(UNCRD)
    国際協力事業団中部国際センター(JICA・CBIC)

  3. 研修対象者
    チリ中央政府・地方自治体の都市システム開発を担当する中堅行政職員

  4. 研修員数
    8人

  5. 受入期間
    2002年9月15日(日)から10月27日(日)
    (研修期間:9月24日(火)から10月25日(金))

  6. 背景
    UNCRDは、1999年度から国際協力事業団(JICA)との共催で、チリ中央政府及び地方自治体職員を対象に、全5回にわたる「都市システム開発研修」を行っている。過去3回の研修のうち、第1回は、交通、公害、ゴミ処理などの都市問題を総括的に概観し、これを受けた第2回は、都市交通に焦点を当て、「持続可能な都市交通システム」のための適切な管理・運営方法などを検討した。第3回は、都市環境問題に焦点を当て、日本やアジア諸国の環境対策事例を考察し、循環型社会形成のためのチリ都市システム開発を検討した。今回の第4回研修は、JICA・チリ政府と協議の上、「都市開発と住環境整備」をテーマとし、日本の都市計画・建築基準等制度面及び都市開発の経験等を参考にしながら、チリの都市開発において住環境の5つの基本理念―安全性、保健性、利便性、快適性、持続可能性―がいかに確保されうるかを検討する。

  7. 研修の目的
    第4回研修では、住環境整備に的を絞り、日本とチリの事例を比較検討することによって、都市開発とそれに付随する問題への適切な戦略・戦術の開発、そのための官・民協力体制の構築や市民参加システムの形成を目標に、都市システム開発を総合調整、管理運営できる人材の養成を行う。

  8. 研修手法
    ケーススタディ中心の講義、現場視察、グループワークショップ等により、日本やアジアの都市住環境問題への取り組みを検討・分析し、チリとの比較を行う。研修員は、開発手法や制度の適用可能性の検討、代替案の提案を行い、講師、研修コーディネーター等を交えワークショップ形式で議論を交わす。その結果をグループディスカッションペーパーにまとめる。同時に研修員個人が直面する課題に対する対策について、個人のアクションプランをまとめ上げる。この作業を通じて、研修員の「問題解決型」又は「自主提案型」分析・企画・調整能力の向上を図る。

  9. 研修モジュール
    (1)地方自治制度
    (2)都市の住環境整備
    (3)住環境整備手法
    (4)市民参加と住環境整備
    (5)建築指導
    (6)都市防災
    (7)地域資源の活用
    (8)まとめ

  10. 研修カリキュラムの構成

  11. 研修カリキュラム(PDF)

  12. 使用言語
    日本語・スペイン語の逐次訳


住環境の5つの基本理念
  1. 安全性:生命・財産が災害から安全に守られていること

  2. 保健性:肉体的・精神的健康が守られていること

  3. 利便性:日常的生活のしやすさ、各種施設などの利用のしやすさ、交通機関の利用のしやすさ、社会サービスの利用のしやすさ等生活の利便性が確保されていること

  4. 快適性:美しさ、レクレーションなどが十分に確保されていること

  5. 持続可能性:
    • 環境持続可能性;物的な環境について将来の住環境悪化を引き起こさないこと

    • 経済持続可能性;地域発展に寄与し、地域の経済的崩壊を防ぐ

    • 社会持続可能性;地域社会の文化や歴史性を保全していくこと



中央・地方政府の中堅行政官ら計8名が参加した今回の研修では、「都市開発と住環境整備」をテーマに、日本の都市開発の経験等を参考にしながら、チリの都市開発において住環境に関する5つの基本理念(安全性、保健性、利便性、快適性、持続可能性)がいかに確保されうるかを検討しました。

研修生は、講義や現場視察、グループ演習などを通じて、日本やアジアの住環境整備への取り組み方を分析し、チリへの適用可能性、対処手法等について議論を行いました。 中でも、日本における市民参加によるプロジェクト等への取り組みは、チリでは新しい行政手法であり、その仕組みを学びたいという要望が多く出されました。

研修では、講義の後、事例視察が行われ、研修生は、理論と実践を両方学ぶことにより、それぞれのテーマについてより理解を深めることができました。 各視察においては、左記住環境に関する5つの理念を念頭におきながら、東京都世田谷区の市民参加型まちづくり、奈良市の景観整備への取り組み、神戸市の都市災害対策、岐阜県八幡町の地域資源を活用した開発戦略などを現地調査しました。

研修の最後に、研修生は各自、住環境整備のためのアクションプランを作成し、「地域開発計画分析のための市民参加項目の導入」「ケーブルカーと周辺住環境の改善」等のプランが完成しました。 研修生は今後、今回の研修で学んだことを活かして、行政機関や市民に住環境改善の意識を啓発していくと同時に、経済・文化・社会的背景を踏まえながら住環境政策を検討し、さらに市民による提案を政策に取り入れるための活動を展開していくことが期待されます。


研修生の感想
アレハンドラ・モンテロ氏(チリ企画調整省地域局・投資分析官)
都市管理の実態を直接見聞することができた現地視察では、早い段階からの市民参加により成功したプロジェクトが印象に残っています。 特に奈良市と郡上八幡(岐阜県)では、都市開発の振興と文化保存を行政と住民が連携して行っていました。 チリにおいて、このような政策を取り入れることが、今後の発展へ繋がっていくと思います。
ミゲル・マルティネス氏(レコレタ市役所・都市開発計画/政策担当)
講義ではノウハウや概念を学び、それを現地視察で確認できました。 また、事例を研究することによって、達成された成果だけでなく、事例間の類似点や相違点を見出し、そこからも多くを学ぶことができました。 都市管理には良い計画だけでなく、それを行う側の責任や能力も必要であると実感しました。

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