第5回JICA/UNCRD「ベトナムの都市開発の計画と管理」研修コース
2004年01月25日 - 02月29日
名古屋、鎌倉、世田谷 ほか

  1. タイトル
    第5回都市開発の計画と管理
    −持続可能な都市開発と住環境整備−

  2. 対象者
    ベトナム中央政府・地方政府の都市開発を担当する中堅行政職員

  3. 研修員数
    8人

  4. 期間
    2004年1月25日(日)〜2月29日(日)
    (研修期間:1月28日(水)〜2月26日(木))

  5. 研修の背景
    国際連合地域開発センター(UNCRD)は、独立行政法人国際協力機構(JICA)が進める日本の技術協力プログラムの一環として、1999年から5年間の予定で「ベトナム都市開発の計画と管理」研修を実施している。
    過去4回の研修のうち、第1回は、環境問題及びニュータウン開発について総括的に概観し、これを受けた第2回は住環境の改善に的を絞り、「人間の安全保障と住環境改善」のための地域開発の計画と管理のあり方を検討した。第3回は、ベトナム各地において急速な都市化、開発ブームが進行する状況に鑑み、「都市における生活環境の改善・維持」のための施策について検討を行った。第4回では、住環境を適切に維持または改善することに焦点を当て「都市開発と住環境整備」として、住環境の5つの理念 −安全性、保健性、利便性、快適性、持続可能性− がベトナムにおいていかに確保されうるかを検討した。
    最終回となる今回の第5回研修では、急速な都市化が進んだベトナムにおける緊急性の高い問題として、汚水対策及び廃棄物対策などの環境対策に焦点を当てつつ、過去4回の研修成果のまとめを行う。

  6. 研修の目的
    現在、ベトナム各地では急速な都市化、開発ブームが起こっており、それに伴い住環境の悪化が顕著となっている。自然環境や周辺農地との調和のとれた地域開発のあり方や、工業団地開発、観光開発、ニュータウン開発と合わせた生活環境の健全な維持・改善が望まれる。従って、第5回の研修では、都市開発と良好な住環境維持の両立を目指し、日本とベトナムの事例を比較検討することによって、環境に配慮した持続可能な地域開発の方策、それに付随する問題への適切な戦略・戦術、さらに官・民協力体制の構築と市民参加システムの形成を目標に、都市開発を総合調整、管理運営できる人材の養成を行う。

  7. 研修手法
    ケーススタディ中心の講義、現場視察、グループ討論等を通じて、急速な都市化が進展する中での日本やアジア等における住環境整備政策を検討・分析する。研修員は、開発手法や制度のベトナムへの適用可能性の検討・代替案の提案を行い、研修員相互及び講師・研修コーディネーターを交えたワークショップで議論を交わす。その結果をグループディスカッションペーパーにまとめる。同時に研修員個人が直面する課題についての対策について、個人のアクションプランをまとめ上げる。この作業を通じて、研修員の地域開発の計画と管理における分析・企画・調整能力の向上を図る。

  8. 研修モジュール
    (1)住環境整備概論
    (2)地方自治制度
    (3)都市開発と住環境整備
    (4)市民参加と住環境整備
    (5)都市環境マネージメント
    (6)都市防災管理
    (7)まとめ

  9. 研修カリキュラムの構成

  10. 研修カリキュラム(PDF)

  11. 使用言語
    ベトナム語・日本語の逐次通訳


住環境の5つの基本理念
  1. 安全性:生命・財産が災害から安全に守られていること

  2. 保健性:肉体的・精神的健康が守られていること

  3. 利便性:日常的生活のしやすさ、各種施設などの利用のしやすさ、交通機関の利用のしやすさ、社会サービスの利用のしやすさ等が確保されていること

  4. 快適性:美しさ、レクレーションなどが十分に確保されていること

  5. 持続可能性:
    • 環境持続可能性;物的な環境について将来の住環境悪化を引き起こさないこと

    • 経済持続可能性;地域発展に寄与し、地域の経済的崩壊を防ぐ

    • 社会持続可能性;地域社会の文化や歴史性を保全していくこと



過去4回の研修のうち、第1回研修では環境問題及びニュータウン開発について総括的に概観し、これを受けた第2回は人間の安全保障と住環境改善のための地域開発の計画と管理のあり方を検討しました。 つづく第3回では、都市における生活環境の改善・維持のための施策について検討し、第4回は、ベトナムで今後更なる進展が予想される都市開発をテーマとし、中でも住環境を適切に維持または改善する方策を検討しました。 そして、最終回となる今回の第5回研修では、急速な都市化が進んだベトナムにおける緊急性の高い問題として、汚水対策及び廃棄物対策などの環境対策に焦点を当てつつ、過去4回の研修成果のまとめを行いました。

ベトナムの地方政府から8人の中堅行政官が参加し、2004年1月25日から2月29日まで実施されたこの研修は、(1)住環境整備概論(2)地方自治制度(3)都市開発と住環境整備(4)市民参加と住環境整備(5)都市環境マネージメント(6)都市防災管理(7)まとめの7つのモジュールで構成され、 講義の他に、鎌倉市の市民参加型まちづくりや、倉敷市の環境対策、大阪府の千里ニュータウン開発などの視察を行いましたが、研修生はその中でも東京都世田谷区の密集住宅地の修復型まちづくりの事例に特に高い関心を示しました。世田谷区では、防災上危険な密集市街地の解消に地域住民が主体的に取組み、行政と住民との協働の基に事業が実施されています。この事例は、密集地市街地の解消が緊急の課題であるベトナムの研修生の強い関心を引き、住民間の合意形成の方策などを積極的に学びとっていました。

研修の最終段階において、各研修生は講義・視察での知見を基にアクションプランを作成しました。そのなかには「クアンビン省ドンホイタウンの土地整備計画」「ビンドン省における工業団地管理案」「ヴィンローン省ヴィンローンタウンの新都市地区詳細開発計画」などがあり、それぞれが研修で学んだ内容が生かされたものでした。またアクションプラン発表会では、生活排水・ごみ処理などといった問題に対し日本で得た経験や研修の成果を活かし解決を図る決意、また同時に自らの地域の発展を信じ、発展に向かう強い意志が感じられました。

Copyright(C) 2001-2017 United Nations Centre for Regional Development - Nagoya, JAPAN | ご利用規定 | プライバシーについて | お問合せ | サイトマップ