第4回JICA/UNCRD「ベトナムの都市開発の計画と管理」研修コース
2003年02月2日 - 03月9日
名古屋、鎌倉、神戸 ほか

  1. タイトル
    第4回都市開発の計画と管理 −都市開発と住環境整備−

  2. 対象者
    ベトナム中央政府・地方政府の都市開発を担当する中堅行政職員

  3. 研修員数
    8人

  4. 期間
    2003年2月2日(日)〜3月9日(日)
    (研修期間:2月5日(水)〜3月7日(金))

  5. 研修の背景
    国際連合地域開発センター(UNCRD)は、国際協力事業団(JICA)が進める日本の技術協力プログラムの一環として、1999年から5年間の予定で「ベトナム都市開発の計画と管理」研修を実施している。
    過去3回の研修のうち、第1回は、環境問題及びニュータウン開発について総括的に概観し、これを受けた第2回は住環境の改善に的を絞り、「人間の安全保障と住環境改善」のための地域開発の計画と管理のあり方を検討した。第3回は、ベトナム各地において急速な都市化、開発ブームが進行する状況に鑑み、「都市における生活環境の改善・維持」のための施策について検討を行った。
    1995年にコペンハーゲンで開催された「世界社会開発サミット」、これに引き続き、2000年にジュネーブで行われた「国連特別総会」、また2002年8月に開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルク・サミット)」など、次々と催されている国連主催の会合では数多くの公約あるいは決議が生み出されているが、その提言は、いずれも「持続可能な開発」を重点課題に据え、参加各国の政治的背景を受けながら、貧困撲滅から地球規模の環境対策まで極めて幅広く多岐にわたっている。ベトナム都市開発の計画と管理をテーマとする当研修においても、このような国連の提言を踏まえながら、「持続可能な開発」をキーワードに、急速な都市化が起こっているベトナムにおいて、いかに環境的、経済的そして社会的に持続可能な都市開発を行っていくかを検討する。
    以上のことを踏まえて、第4回となる今回の研修では、ベトナムで今後さらに進展していくであろう都市開発をテーマに、とりわけ住環境を適切に維持または改善することに焦点を当て、日本の都市計画・建築基準等の制度面及び都市開発の経験等を参考にしながら、住環境の5つの理念 −安全性、保健性、利便性、快適性、持続可能性− がベトナムにおいていかに確保されうるかを検討する。

  6. 研修の目的
    現在、ベトナム各地では急速な都市化、開発ブームが起こっており、それに伴い住環境の悪化が顕著となっている。自然環境や周辺農地との調和のとれた地域開発のあり方や、工業団地開発、観光開発、ニュータウン開発と合わせた生活環境の健全な維持・改善が望まれる。従って、第4回の研修では、住環境整備に的を絞り、日本とベトナムの事例を比較検討することによって、環境に配慮した持続可能な地域開発の方策、それに付随する問題への適切な戦略・戦術、さらに官・民協力体制の構築と市民参加システムの形成を目標に、都市開発を総合調整、管理運営できる人材の養成を行う。

  7. 研修手法
    ケーススタディ中心の講義、現場視察、グループ討論等を通じて、急速な都市化が進展する中での日本やアジア等における住環境整備政策を検討・分析する。研修員は、開発手法や制度のベトナムへの適用可能性の検討・代替案の提案を行い、研修員相互及び講師・研修コーディネーターを交えたワークショップで議論を交わす。その結果をグループディスカッションペーパーにまとめる。同時に研修員個人が直面する課題についての対策について、個人のアクションプランをまとめ上げる。この作業を通じて、研修員の地域開発の計画と管理における分析・企画・調整能力の向上を図る。

  8. 研修モジュール
    (1) 地方自治制度
    (2) 都市の住環境整備
    (3) 住環境整備手法
    (4) 市民参加と住環境整備
    (5) 途上国における住環境整備
    (6) 建築指導
    (7) 都市廃棄物対策
    (8) 都市防災
    (9) まとめ

  9. 研修カリキュラムの構成


  10. 研修カリキュラム(PDF)

  11. 使用言語
    ベトナム語・日本語の逐次通訳


住環境の5つの基本理念
  1. 安全性:生命・財産が災害から安全に守られていること

  2. 保健性:肉体的・精神的健康が守られていること

  3. 利便性:日常的生活のしやすさ、各種施設などの利用のしやすさ、交通機関の利用のしやすさ、社会サービスの利用のしやすさ等が確保されていること

  4. 快適性:美しさ、レクレーションなどが十分に確保されていること

  5. 持続可能性:
    • 環境持続可能性;物的な環境について将来の住環境悪化を引き起こさないこと

    • 経済持続可能性;地域発展に寄与し、地域の経済的崩壊を防ぐ

    • 社会持続可能性;地域社会の文化や歴史性を保全していくこと





UNCRDは、1999年度から国際協力事業団(JICA)と共催でベトナム中央政府および地方自治体職員を対象に、標記研修(全5回)を行っています。中央・地方政府の中堅行政官ら計7名が参加した今回の研修では、「急速な都市化の中での住環境の適切な維持・改善」に焦点を当て、これまでの安全・健康・利便・快適という4つの観点にとどまらず、持続可能な観点に立った住環境整備を目標として、「住環境の5理念」を念頭におき、理論・講義の後に現地視察を行うスタイルで各地での事例視察を行いました。

本研修では、ベトナムで今後さらに進展していくであろう都市開発をテーマに、日本の都市計画・建築基準法等の制度面及び都市開発の経験等を参考にしながら、持続可能な「都市開発と住環境整備」について議論しました。また、講義のみならず、「愛知県の高蔵寺ニュータウン」、「鎌倉市市民参加型まちづくり」、「東京都墨田区の密集市街地再開発」、「奈良県川上村の吉野川紀の川源流物語」等を視察し、理論と実践を両方学ぶことによりテーマに対する理解を深め、グループディスカッションを通じて比較分析、代替案の検討を行いました。

研修の最終段階では、研修生一人一人が、各講義の要点を把握し、各事例の長所・短所を鋭く分析してベトナムに適用可能なアイデアを取り入れたアクションプランを作成しました。「ホーチミン市内のごみ処理対策」、「ハイフォン市の住民参加による地域再開発」、「ダナン市のハン川沿岸の景観改善案」等それぞれが研修で学んだ内容が生かされ、合理的であり、実施にあたっての問題への対策も盛り込まれた大変優れたものでした。アクションプランを実施に移すためには、資金調達、実施のための法整備などの多くの課題があると考えられますが、各研修生が日本で学んだ経験をベトナムの実情に合わせて上手く取り入れ、市民提案を政策に反映させていくといった活動が期待されるとともに、日本とベトナムの発展状況の違いに注意し、経済的・環境的・社会的持続可能性を考慮に入れた住環境改善策を生み出し、実行していくことが真に望まれます。

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