バンコク都のための持続可能な都市開発の計画と管理研修コース
2013年06月17日 - 06月28日
愛知、岐阜ほか

背景と目的
世界の人口は2050年には90億人に、とりわけ都市部の人口は29億人増加し、63億人に達するとみられています。特にアジア地域において、都市化の流れは顕著であり、アジアの都市人口は世界の都市人口の52パーセントを占めると予測されています。タイにおいても、都市機能が一極集中している首都バンコクでは、急速な都市化と経済成長の結果、交通渋滞、大気汚染、廃棄物問題、住宅不足といった様々な問題に直面しています。さらに近年では、地球的規模の気候変動の影響と相まって、自然災害のリスクも高まってきています。2011年に発生したチャオプラヤ川の洪水は、その被害がバンコク郊外まで広がり、災害に対する都市の脆弱性を浮き彫りにしました。これらの課題に対して、バンコク都は包括的な視点をもって対策を講じることが求められています。こうした状況の下、UNCRDでは、バンコク都の持続可能な都市開発のための戦略づくりに必要な知識や技能の強化を図るため、標記研修を実施しました。今回の研修は、バンコク都の要請を受けて実施されたものであり、研修に必要な費用はすべてバンコク側が負担しました。
期間
2013年6月17日(月)−6月28日(金)

研修場所
愛知、岐阜ほか

主催
UNCRD(国際連合地域開発センター)、バンコク都庁(BMA)

研修対象者および人数
BMA戦略評価局の政策計画分析官10名

研修内容および成果

研修プログラムは「グリーン経済への移行のための都市開発アプローチ」「日本における持続可能な都市開発の計画と管理」「総括」の3つのモジュールから構成されており、講義、ディスカッション、ケーススタディ、そして現地視察が行われました。モジュール1「グリーン経済への移行のための都市開発アプローチ」では、持続可能な都市開発や貧困削減という文脈におけるグリーン経済のコンセプトを理解し、環境的に持続可能な交通や3R(リデュース、リユース、リサイクル)など、グリーン経済への移行に必要なアプローチについて理解を深めました。

続いてモジュール2「日本における持続可能な都市開発の計画と管理」では、実際に中部圏内の現場を視察し、地方自治体や民間企業、住民による先進的な取り組みについて学びました。名古屋市では、環境基本計画の策定プロセスや、また過去の水害経験に基づいた浸水対策について学びました。また岐阜市では、水防団の活動やコミュニティ地域防災計画に関する講義を受けた後、地域防災計画を策定した三輪南・三輪北地区を訪れ、地域のリーダーの方々や水防団の演習に参加している三輪中学校の中学生たちと意見交換を行いました。豊田市ではエコフルタウンを訪れ、官民協力して進めている家庭・コミュニティ型低炭素実証プロジェクトについての説明を受け、スマートハウス等の施設見学を行いました。また稲沢市内のスーパーを訪れ、小売業者と民間堆肥業者、農家が連携し、店舗の食品売り場から出る生ごみを堆肥化、農家がその堆肥を使って農産物を生産、再び店舗で販売するというリサイクル循環の仕組みについて学びました。

最後に、モジュール3「総括」では、研修で学んだ持続可能な都市開発の知識や手法を、現在作成中のマスタープランにいかに反映させるかについて、研修生が議論し、その内容を廃棄物管理と防災に関するアクションプランとグリーン経済と観光推進に関するアクションプランの二つにまとめました。これらのアクションプランはバンコク都庁研修開発機構に提出され、現在BMAが作成中のマスタープラン(2013-2032)に反映されることになっています。

このほか研修生は、2012年BMAと相互協力に関する覚書を締結した愛知県を表敬訪問、また国連支援交流協会東海名古屋支部によるフレンドシッププログラムにも参加しました。研修修了時に実施したアンケート調査では、研修生から「バンコクの実状やニーズに合致した研修プログラムであり、研修目的は概ね達成された」との評価を得ることができました。

Copyright(C) 2001-2017 United Nations Centre for Regional Development - Nagoya, JAPAN | ご利用規定 | プライバシーについて | お問合せ | サイトマップ