ネパール花卉栽培・マーケティング研修コース
2009年02月18日 - 03月14日
名古屋市、東海市、豊明市ほか

背景と目的
ネパールでは、同国の変化に富む地形や気候から生まれる豊かな植生により、多様な花卉の生産可能性を持つとされています。特に、首都カトマンズ市の周辺では、都市化に伴う消費構造の変化に伴い、ホテル等の従来の需要元のみならず、一定の所得階層以上の間で年々花卉の需要が増大しつつあり、こうした都市圏を販売市場とする花卉生産業は、成長の可能性を持っているといえます。また、日本で成功を収めて、その後周辺国にも広がりつつある一村一品運動を展開しているネパールでは、地元産品の商業的生産により地方産業の浮揚を狙っています。商工会議所等を交えた官民連携の下で、農作物を中心に6品目を一村一品運動の対象品目として選定し、ランは対象品目のひとつに指定されています。他方で、ランを含む花卉全体の商業的展開は、ネパールの農業部門全体を見渡しても比較的新しい分野であり、産業の育成・醸成には技術や知識の吸収が必須であると考えられています。そこでUNCRDは独立行政法人国際協力機構(JICA)と共催で、花卉の栽培技術やマーケティングにとどまらず、一村一品運動を足がかりに地域全体の開発を促進するため、内発的地域開発を目標に据え、標記研修を実施しました。

研修内容
講義では、地域資源を生かした内発的地域開発、一村一品運動、国・県の花卉産業振興に関する施策、ラン栽培概論などがテーマとされました。加えて、日本一の花卉生産額を誇る愛知県で行われている栽培技術やマーケティングの実例を学ぶため、農業総合試験場、農業指導普及員を管轄する県事務所、農業協同組合、卸売市場、産地直売所、観光農園や花のテーマパークなどを視察しました。特に、ラン栽培と育苗技術を学ぶため訪れた東海市立農業センターでは、技術職員や農園経営者を交えた活発な意見交換が行われ、日本とネパールとの気候や土壌、栽培環境の違いを踏まえた、ランの交雑や繁殖に関する有意義な技術的助言を得ることができました。

生産活動を行う農園経営者と政策を担当する行政官が参加したこの研修では、最後に研修内容を振り返る形での成果発表が行われ、ネパールにおける一村一品運動の推進に向けた課題が浮き彫りとなりました。日本の事例から技術や知識を学んだ研修生が、課題の克服にあたる先導者としての役割を担いながら官民連携による一村一品運動が展開されることにより、ネパールにおける花卉生産業の成長が促され、雇用の拡大や貧困削減に繋がることが期待されます。

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