第5回中国西部地区国土開発研修コース
2006年07月2日 - 07月29日
名古屋、東京、北海道ほか

  1. タイトル
    平成18年度 国別研修 (第5回)中国西部地区国土開発研修
    The Country Focused Tainting Course on Comprehensive Regional Development for the Western Region of China, Fiscal Year 2006

  2. 主催
    独立行政法人国際協力機構 中部国際センター(JICA CHUBU)
    国際連合地域開発センター(UNCRD)

  3. 研修対象者・人数
    中国西部地区の総合開発計画に携わる行政職員 15名

  4. 受入期間
    2006年7月2日(日)から2006年7月29日(土)
    (技術研修期間:2006年7月6日(木)から2006年7月27日(木))

  5. 背景と目的中国では20年来の改革・開放政策と沿岸部の急速な経済発展が進む一方で、内陸の西部地区においては地域経済が大きく立ち遅れ、貧困問題が深刻化するとともに、洪水や水不足、黄砂など甚大な被害をもたらす生態環境の著しい悪化といった大きな内部制約要因も抱えている。 また、近年、国際競争が一層厳しくなる中で、農業を主体とする産業の高度化を図っていくことも重要な課題となっている。

    このため、2006年に策定された第11次五ヵ年計画では、調和の取れた社会の建設(貧富の格差是正、公正な社会の実現)、三農問題の解決最優先(農村、農業、農民)、資源節約型社会、環境にやさしい社会の建設が重点事業として位置づけられた。 特に西部地区においては、引き続き「西部大開発」を推進し、改革・開放の歩みを速め、インフラ整備と生態環境の保護を強化し、科学技術・教育の発展と人材開発を速め、資源の優位性を十分に発揮し特色ある産業を強力に発展させ、自己開発能力を強めることが採択された。 しかし、その具体化に当たっては、経済的、社会的、環境的側面を十分に統合した持続可能な地域開発アプローチの導入が不可欠となっている。

    また、国際社会においては、「世界社会開発サミット」(1995年:コペンハーゲン)、「国連特別総会」(2000年:ジュネーブ)での国連ミレニアム開発目標(MDGs)の決議、「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルク・サミット)」(2002年:WSSD/ヨハネスブルグ)など、数多くの国際会議で「持続可能な開発」や「人間の安全保障」が重点課題に据えられている。

    本研修コースは、こうした国際社会の方向性や中国の地域開発ニーズを踏まえつつ、中国西部地区における持続可能な開発の実現を支援するために実施するものである。

  6. 到達目標

    • 日本における国土総合開発計画等に基づく国土開発や地域開発の経験を理解する。

    • 日本におけるインフラ整備や地域づくりに関する現状と課題を理解する。

    • 国土開発に関する計画策定能力と実施能力の向上を図る。

  7. 研修項目
    (1)研修プログラムの構成
    研修内容は次の3つのパートから構成される。

    • 日本の国土開発に関する講義・現地視察

    • 日本と中国の国土開発のあり方や方法を比較・分析し、それぞれの長所・短所・適用可能性などを議論しながら、中国西部地区に適した国土開発のあり方を探るグループディスカッション

    • 中国西部地区における開発のあり方を見据えたスタディレポートの作成

    以上のプロセスを通じて、国土開発に関する知識を習得するとともに、中国西部地区の実情を踏まえた計画策定能力と実施能力の向上を図る。

    研修カリキュラム(PDF)

  8. 使用言語
    中国語・日本語の逐次通訳

中国西部地区における総合開発計画に携わる中央及び地方政府の行政官15名が参加した今回の研修では、(1)国土開発概論、(2)産業政策の変遷と現状、(3)地方都市における地域振興策、 の3つのモジュールに沿って講義、現地視察、グループ討論、スタディレポートの作成が行われ、国土開発や地域計画の能力向上を図りました。 講義においては、日本の総合開発計画、地方行政制度、北海道総合開発の体制、戦後の産業政策の変遷、地域資源を生かした内発的地域振興策、産学官連携(産業クラスター)について学びました。 現地視察で訪れたトヨタ自動車株式会社では、発展の歴史と環境へ配慮した取り組みについて、川崎エコタウンでは公害経験を乗り越え環境に配慮した工業の育成について、また、南木曽町では古い町並みを保存し地域資源として活用した地域振興策について学ぶことができました。

北海道と中国西部地域は地形的な特徴が相似していることもあり、北海道の開発経験から直接学ぶことは研修生にとって大変有益と考えられています。 今回は、国土交通省北海道開発局の案内のもと、旭川市総合計画、富良野市の農業事業施策や日本の森林管理などについて学ぶことができました。 さらに北海道の国家主導の開発を学ぶ一方で、愛知県での全国に先駆けて地方計画を策定してきた取り組みや産業計画についての歴史的な変遷を踏まえた講義が行われ、中国における今後の地域づくりを考える上で大変有意義なものとなりました。

この研修の最後に、研修員は4つのグループに分かれ、「日本の国土計画の中国発展計画への啓示」「北海道開発の西部大開発への啓示」「夕張市経済転換の経験と教訓」「地域自発的発展能力建設の日中比較」など、講義・視察で学んだ内容を生かしたスタディレポートを作成しました。 この研修を通して研修員が学んだことが、今後の中国西部地域における均衡ある発展と持続可能な開発の促進に反映されることが期待されます。

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