第3回中国西部地区国土開発研修コース
2004年07月4日 - 07月31日
名古屋ほか

  1. タイトル
    中国西部地区国土開発研修(第3回)
    Comprehensive Regional Development for the Western Region of China

  2. 主催
    独立行政法人国際協力機構 中部国際センター(JICA CHUBU)
    国際連合地域開発センター(UNCRD)

  3. 研修対象者
    中国の中央政府及び地方政府において西部地区の総合開発計画に携わる行政職員

  4. 研修員数
    15名

  5. 受入期間
    2004年7月4日(日)〜2004年7月31日(土)
    (研修期間: 2004年7月8日(木)〜2004年7月29日(木))

  6. 背景と目的
    中国では20年来の改革・開放政策と沿岸部の急速な経済発展が進む一方で、内陸の西部地区においては地域経済が大きく立ち遅れ、貧困問題が深刻化するとともに、洪水や水不足、黄砂など甚大な被害をもたらす生態環境の著しい悪化といった大きな内部制約要因も抱えている。また、近年、国際競争が一層厳しくなる中で、農業を主体とする産業の高度化を図っていくことも重要な課題となっている。

    このため、2001年に策定された第10次五ヵ年計画では、インフラ建設と生態環境整備を最重点とする「西部大開発」が経済構造改革の重点事業に位置づけられ、今後の科学技術と地域の発展が期待されるところであるが、その具体化に当たっては、経済的、社会的、環境的側面を十分に統合した持続可能な地域開発アプローチの導入が不可欠となっている。

    また、国際社会においては、1995年にコペンハーゲンで開催された「世界社会開発サミット」や、2000年にジュネーブで開催された「国連特別総会」、2002年に開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルク・サミット)」など、数多くの国際会議で「持続可能な開発」が重点課題に据えられている。

    本研修コースは、こうした国際社会の方向性や中国の地域開発ニーズを踏まえつつ、中国西部地区における持続可能な開発の実現を支援するために実施するものである。

  7. 到達目標
    日本における国土総合開発の経験や産業政策の変遷を理解する。
    日本における産業振興策や地域振興策の現状と課題を理解する。
    国土開発に関する計画策定能力と実施能力の向上を図る。

  8. 研修項目

    • 研修内容は次の3つのパートから構成される。 日本の国土開発や産業政策などに関する講義・現地視察

    • 日本と中国の国土開発のあり方や方法を比較・分析し、それぞれの長所・短所・適用可能性などを議論しながら、中国西部地区に適した国土開発のあり方を探る演習

    • 中国西部地区における開発のあり方を見据えたスタディレポートの作成


    以上のプロセスを通じて、国土開発に関する知識を習得するとともに、中国西部地区の実情を踏まえた計画策定能力と実施能力の向上を図る

    研修カリキュラム(PDF)


  9. 使用言語
    中国語・日本語の逐次通訳

第3回研修には、中国西部地区における総合開発計画に携わる中央及び地方政府の行政官15名が参加しました。

コースの内容は、講義、現地視察、グループ討論、スタディレポートの作成と発表で構成されました。 第2回研修の評価会において、研修生の団長が土地開発政策と産業開発政策をバランスよくコースプログラムに組み込んでほしいとの要望を出したのを受け、今回の研修カリキュラムは、(1)日本の総合開発の概論、(2)産業政策の歴史と現況、(3)地方都市の開発施策、の3つのモジュールにそって再構築されました。 講義においては、日本の総合開発計画、地方行政制度、北海道総合開発の体制、愛知県地方計画、戦後の産業政策の変遷について学び、現地視察で訪れたトヨタ自動車株式会社ではその発展の歴史と環境への取り組みについて、四日市市や三菱化学株式会社では過去の産業汚染から立ち直った教訓や経験を知ることができました。

北海道と中国西部地域は地形的な特徴が相似していることもあり、北海道の開発経験から直接学ぶことは研修生にとって大変有益なことと考えられ、北海道での視察では国土交通省北海道開発局の案内のもと、釧路湿原の保全やエコツーリズム、標茶町やJA士幌町の振興施策について学ぶ機会を得ることができました。 また一方で、愛知県では全国に先駆けて地方計画を策定してきた取組や産業計画についての歴史的な変遷を踏まえた講義が行われ、国家主導で開発が行われる北海道の対照として、中国における今後の地域づくりを考える上で大変有意義なものでした。

この研修の最後に、研修員は4つのグループに分かれ、「北海道農業の経験から海南省農業の発展を考える」「雲南省大理市・玉渓市の持続可能な発展」「中国西部の中等都市の発展戦略の考え方について」「寧夏の貧困対策」など、講義・視察で学んだ内容を生かしたスタディレポートを書き上げました。 レポート作成を通じ、研修生は彼らがこの研修コースから学んだものを吸収し、理解する時間を持ちました。

また今回研修生が特に関心を持っていた点として、トヨタ自動車株式会社、三菱化学株式会社、川崎エコタウンにみられるような民間機関の環境保全への高度な意識の保持を挙げることができます。 研修員が個々の職場に戻った後、日本の環境保全への取り組みを経験して得たものを今後の施策に反映させ、中国の西部地域における環境問題の改善と持続可能な開発の促進に役立てることが期待されます。

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