第2回中国西部地区国土開発研修コース
2004年03月2日 - 03月26日
名古屋ほか

  1. タイトル
    中国西部地区国土開発研修(第2回)
    Comprehensive Regional Development for the Western Region of China

  2. 主催
    独立行政法人国際協力機構 中部国際センター(JICA CHUBU)
    国際連合地域開発センター(UNCRD)

  3. 研修対象者
    中央政府及び地方政府において西部地区の総合開発計画に携わる行政職員

  4. 研修員数
    15名

  5. 受入期間
    2004年3月2日(火)〜2004年3月26日(金)
    (研修期間: 2004年3月4日(木)〜2004年3月23日(火))

  6. 背景と目的
    中国では20年来の改革・開放政策と沿岸部の急速な経済発展が進む一方で、内陸の西部地区においては地域経済が大きく立ち遅れ、貧困問題が深刻化するとともに、洪水や水不足、黄砂など甚大な被害をもたらす生態環境の著しい悪化といった大きな内部制約要因も抱えている。 また、近年、国際競争が一層厳しくなる中で、農業を主体とする産業の高度化を図っていくことも重要な課題となっている。

    このため、2001年に策定された第10次五ヵ年計画では、インフラ建設と生態環境整備を最重点とする「西部大開発」が経済構造改革の重点事業に位置づけられ、今後の科学技術と地域の発展が期待されるところであるが、その具体化に当たっては、経済的、社会的、環境的側面を十分に統合した持続可能な地域開発アプローチの導入が不可欠となっている。

    また、国際社会においては、1995年にコペンハーゲンで開催された「世界社会開発サミット」や、2000年にジュネーブで開催された「国連特別総会」、2002年に開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルク・サミット)」など、数多くの国際会議で「持続可能な開発」が重点課題に据えられている。

    本研修コースは、こうした国際社会の方向性や中国の地域開発ニーズを踏まえつつ、中国西部地区における持続可能な開発の実現を支援するために実施するものである。

  7. 到達目標
    日本における国土総合開発の経験を理解する。
    日本におけるインフラ整備や地域づくりに関する現状と課題を理解する。
    国土開発に関する計画策定能力と実施能力の向上を図る。

  8. 研修項目

    • 研修内容は次の3つのパートから構成される。 日本の国土開発に関する講義・現地視察

    • 日本と中国の国土開発のあり方や方法を比較・分析し、それぞれの長所・短所・適用可能性などを議論しながら、中国西部地区に適した国土開発のあり方を探る演習

    • 中国西部地区における開発のあり方を見据えたスタディレポートの作成

    以上のプロセスを通じて、国土開発に関する知識を習得するとともに、中国西部地区の実情を踏まえた計画策定能力と実施能力の向上を図る。

    研修カリキュラム(PDF)


  9. 使用言語
    中国語・日本語の逐次通訳


第2回の研修には、中国西部地区の総合開発計画に携わる中央政府及び地方政府の職員15名が参加しました。 この研修は、@日本の国土開発に関する講義・現地視察、A日本と中国の国土開発のあり方や方法を比較・分析し、中国西部地区に適した国土開発のあり方を探る演習、B中国西部地区における国土開発を見据えたスタディレポートの作成という3つのプログラムから構成されており、このプロセスを通じて、国土開発に関する知識を習得するとともに、中国西部地区の実情を踏まえた計画策定能力と実施能力の向上を図りました。

具体的には、日本の国土計画体系や、北海道総合開発の体制、愛知県地方計画といったプランニングの経験や、持続可能な地域開発、環境と共生した内発型地域発展などについての講義を設けました。 研修生は日本の高度経済成長期の状況や政策に対する関心が特に高く、均衡ある国土の開発を成し遂げた日本の経験は、地域間格差の是正が大きな課題となっている中国にとって非常に有益なものとなりました。

現地視察については、インフラ整備とそのインフラを活かした地域開発を組み合わせる形で紹介しました。中央政府主導の取り組みにより地域開発が進められた北海道の事例や、観光振興に成功した高山市の事例などは、中国西部地区においても取り組み方しだいでは地域発展が可能ということを実感できる良い事例となりました。

グループディスカッションをもとにまとめられたスタディレポートでは、「西部産業振興の基本構想」や「循環型社会を形成し、中国の持続可能な発展をしよう」など4編が作成されました。 この内容からは、研修生が各自の視点で日本の事例を十分理解し、中国での適用の方向性を明確に示していることが感じられました。 また、計画の理念の重要性を指摘する意見が数多く出されるとともに、技術的な内容を単に模倣するのではなく、理念の部分にまで踏み込んだ内容となっていました。 このことは、中国西部地区における適用可能性を大きく広げるものということができます。

通常の研修では、講師や視察先からの一方通行の説明になりがちですが、今回の研修では、質疑応答などを通じて研修生の積極的な参加があり、視察先などにも得るものが多い有益な研修となりました。 今回の研修生は、中央政府あるいは省政府においてマクロ政策を決定する重要な立場にあることから、研修の成果を今後の職務に反映し、また、職場内で共有することで、中国西部地区の持続可能な開発に貢献することが期待されます。

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