第6回アフリカ地域開発研修コース(2000)
2000年10月4日 - 11月15日
ナイロビ(ケニア)

第6回アフリカ地域開発研修コース


多くのアフリカ諸国においては、持続可能な経済、社会、政策開発をより一層推進させるために、地方分権化、地域社会・地方都市への権限移譲を進めています。今日の地域社会、地方都市開発における地方分権化は、地域開発や地 域レベルの市民参加を促進するメカニズムとして認識されていますが、アフリカ諸国では地域開発の計画・管理経験のある人材が不足しているため、地方分権に対する研修プログラム実施の要望が高くなっています。この要望に応えるため、UNCRDアフリカ事務所では地域開発研修コースの実施を通して、地方分権化の概念を強化し、アフリカで分権化政策を推進するための手法を考案しています。このコースでは、アフリカで地域開発に携わる中堅の地域計画担当官、行政官、研究者や実務担当者を対象に、その計画・実施に必要な知識の習得と分析能力の向上を目的としています。参加者を受け入れる際には、地域開発において重要な役割を果たしている機関から、継続的に参加者を募るという方法を取ることで、その機関の人的資源開発の最大限の効果が得られるようにしています。

UNCRDアフリカ事務所は、国連開発計画(UNDP)の「南南協力基金」を通じた日本政府および国際協力事業団(JICA)の資金援助を受け、JICAケニア事務所、UNDP ケニア事務所と共催で、2000年10月4日から11月15日まで、第6回アフリカ地域開発計画・管理研修コースをケニア商業銀行研修センター(ナイロビ)において開催しました。今回のコースにはアフリカ14ヵ国(ボツワナ、エチオピア、ガンビア、ガーナ、ケニア、ナミビア、ナイジェリア、シエラレオネ、スーダン、スワジランド、タンザニア、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ)から33名(うち女性12名)の中堅行政官、NGO職員らが参加しました。

研修コースは、講師と研修生の間で意見交換が活発に行われるように考案された「アウトプット志向参加型」の研修法を採用し、講義、パネルディスカッション、ワークショップ、現地視察演習、コンピュータ・ゲーミング・シミュレーションを盛り込んだ9モジュールで構成されました。その内容は「開発の概念と課題」「地域開発の基礎」「部門別の課題と計画」「フィールドスタディ」「開発行政と地域開発のための草の根分析」「アフリカ・アジア間の経験交流」「プロジェクトの計画・管理・評価手法」「ゲーミング・ シュミレーション」「研修指導者のための研修」及び「コース全体の反省と評価」で、これらのモジュールは、地域開発計画のための技術向上やプロジェクトの計画の際の理論や分析などの分野を総合的に包含しています。

研修コースは参加型トレーニングとして、講師と参加者のアイデアや経験を最大限に共有できる3方向の対話方式とアウトプット指向型の方法を採用しました。この研修手法は地域開発の鍵となる問題やアフリカの各国に影響を及ぼしている大きな問題に関心を持たせるようにプログラムされています。参加者もまた、講師と同じように自国でのケーススタディを発表し、トレーニングや話し方の能力を向上させました。

今回のコースで特記すべき点は、新たに「研修指導者の研修」をテーマとしたモジュールを導入したことです。このモジュールにおいて研修生は、今回のアフリカ地域開発研修コースの内容を普及させるための必要な技術を習得しました。これは、今回の研修に参加できなか った多くの行政官にも、参加者同様の知識や技術の習得を可能にするだけでなく、今後各国で行われる国内研修に役立つことが期待されています。

さらに、「アフリカ・アジア間の経験交流」モジュールでは、アジアの講師によるワークショップやパネルディスカッション、講義を増やしました。

閉会式には青木盛久・在ケニア日本大使が出席し、UNCRDの活動を賞賛するとともに、JICAおよびナイロビ大学、ジョモ・ケニアッタ農業工業大学(JKUAT)の研修コースへの協力を高く評価しました。また、アフリカ諸国において社会的、経済的な発展を促進するための日本政府の協力を約束しました。

第6回アフリカ地域開発研修コースの評価


アフリカ地域開発研修コースの参加者数は、1995年の実施以来、アフリカの15カ国から164名にのぼっています。1998年からは地域開発における最新の課題を取り上げるべく、実施方法とカリキュラムの改定を幾度も行い、内容の充実を図ってきました。また、国際機関や地域機関に支援を依頼し、1999年より国際協力事業団(JICA)から資金援助などを受けています。また参加者の男女比のバランスを考慮し、参加国に女性を推薦するよう呼び掛けており、1999年には全体の23%だった女性参加者が、2000年には36%まで増加しました。

このような変化を受けて、アフリカ地域開発研修コースの評価を行う評価ミッションが行われ、評価チームが2001年3月12日_15日にケニア、ボツワナ、ナミビア、エチオピアを訪れました。評価チームは、国連経済社会理事会(UN/DESA)の職員1名、UNCRDの職員1名、そしてUN/DESAにより任命されたコンサルタント1名の計3名で構成されました。評価チームは、第4-6回(1998-2000年)アフリカ地域開発計画研修コースおよび同期間に開催された国別技術支援プログラムの参加者、関係者、共催機関の代表、各国行政官、オブザーバーから情報を収集し、コースの実施内容、ケーススタディの作成、アフリカ・アジア間の協力体制の整備、主要関連機関との連携強化などについて評価を行いました。さらに、事業概念と実施体制、アウトプットとインプットの比較による事業効率、当面の目標の達成度、研修参加者のニーズへの適合性、アフリカ地域開発計画に必要な人材育成と組織能力育成への持続的な貢献度についても評価を行い、将来の研修実施について提言をまとめました。

(評価結果 )
主な評価結果は以下のとおりです。

・研修方法 先進的かつ効果的なアウトプット志向参加型の研修法により計画能力とノウハウを習得する機会を提供している。

・人材開発と地域開発
地域開発の重要度が高まるなか、人的資源開発に焦点を当てることによりアフリカ諸国のニーズに適合させている。「人選」、「主題」、「研修の場所及び期間」について的確に選定され、実施されており、研修の可能性を最大限まで高めている。

・アフリカ内およびアフリカ・アジア間の協力体制
アフリカ内およびアフリカ・アジア間の協力、意見交換、ネットワークづくりを通して、他国や他地域の開発経験を学ぶ機会を提供している。また、このような協力体制により、地域開発の成功事例をまとめ、アフリカとアジアの学識経験者や政策担当者が情報と経験を共有ことにより南南協力を推進している。

・国別技術支援プログラムの対象と今後の展開
国別技術支援プログラムを実施するために適切な現地研修機関を選出し、国内の関連組織から援助を受けながら、選出した機関の地域開発計画能力を育成している。1998年以来アフリカ諸国の主要研修機関とパートナーシップ形成を図り、現在、ボツワナ、タンザニア、ガーナ、ウガンダ、ジンバブエで国別技術支援プログラム実施の準備をしている。

・先進的な研修教材とケーススタディの作成
アフリカの国々や地域社会を対象に、地域計画に関する優れた教材を作成している。具体的には、テキストブックが2冊、国別ケーススタディが8冊、アフリカとアジアの地域開発についての65刷以上の講義概論が作成されており、これらを使用することにより質の高い研修が継続して行われることが期待される。

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