第32回 地域開発国際研修コースフォローアップ事業
地域住民主導による都市計画と住宅整備に関するセミナー
2004年09月3日
ウランバートル(モンゴル)

UNCRDでは、毎年行っている地域開発国際研修コースにおいて、研修生が作成したアクションプランの実現を支援するため、研修修了生に対して現地でのフォローアップ事業を展開しています。 第32回国際研修コースのフォローアップ事業では、モンゴルのゲル(放牧のための移動生活用住宅)地区で住民主導による住環境整備に取り組んでいる研修修了生を対象に、標記セミナーを開催しました。

モンゴルでは1992年に市場主義経済へ移行して以来、急速な都市化が進んでいます。 特に首都ウランバートル市では、農村部からの人口流入が加速度的に続き、現在では人口の約半数が首都に集中していますが、社会主義体制の崩壊後、住宅建設が進んでいないため、深刻な住宅難にさらされる一方で、ゲル地区とよばれる貧困層による不法占拠居住区が拡大しており、衛生状態や治安の悪化を招いています。 こうした事態を打開するため、現在、アジア開発銀行(ADB)により住宅融資の提供、ゲル地区の最貧困層を対象としたインフラ整備や住宅改善、雇用創出を含めた包括的な住宅アクションエリアプラン(行動地区計画)が実施されています。 研修修了生はADBのプロジェクトを住民参加のもとで成功させるため、コミュニティの参加と能力強化を促進することを目的とした「ゲル地区住環境改善のための住民参加型学習・行動計画」を作成しており、UNCRDはこのアクションプランの実現を支援するため、現地でセミナーを開催しました。

セミナーには建設省職員、ウランバートル市やその他の地方自治体職員、住民組織の代表、大学教授など約40名が参加し、日本の都市計画、日本ならびにシンガポールの住宅政策、土地区画整理事業に関する講義、住民参加型の住環境整備の事例としての日本のまちづくりやインドネシアのカンポン改善事業、ブラジルの自主管理ムチラン事業などの事例紹介に続き、研修修了生によるアクションプランの発表が行われました。 発表後のディスカッションでは、住環境整備には住民の参加が不可欠との認識を再確認する一方で、土地の権利や政治的な問題などアクションプランを実施する上での課題も指摘されました。こうした問題を解決するため、大学や専門家を含めたサポートチームを立ち上げてはというUNCRDの提案に対し、大学教授より参加の申し出がありました。

今回のセミナーでは、研修修了生が作成したアクションプランの内容について、所管の建設省のみならず、財務省、ウランバートル市、ゾーンモド市、住民組織代表、大学教授、都市計画専門家などの多くの関係者の参加のもと、実施に向けての幅広い議論が行われ、さらには、研修修了生が関係するADBのプロジェクトマネジメントユニットを支援する、もう一つの“自主的な参加による”プロジェクトサポート体制の立ち上げに向けての機運の高まりが確認できました。 近い将来、サポート体制が確立され、ADBのプロジェクト終了後も既存の組織体制に引継がれることで、プロジェクトの持続性が確保されることが期待されます。

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