アジア太平洋における3R推進のための重層的な連携に関する名古屋公開報告会
2014年04月24日
名古屋

主催: 環境省、国際連合地域開発センター(UNCRD)
後援:国際連合地域開発センター協力会、アジア 3R 推進市民ネットワーク、公益財団法人 地球環境戦略研究機
関(IGES)、地域自治体の廃棄物管理サービスを拡大するための国際パートナーシップ(IPLA)−リオ+20 パートナーシップ
連携協力: ESD ユネスコ世界会議あいち・なごや支援実行委員会

アジア太平洋地域の途上国、とくに都市部では、廃棄物管理の問題はあらゆる都市課題の中でも最も緊急度と重要度の高い問題のひとつです。日本においては、行政、市民、民間事業者等それぞれの取組みと連携の成功により、ごみの発生量そのものが減少傾向にある中、途上国に対する廃棄物管理技術協力は、開発支援としてだけでなく、新たな市場とビジネスチャンスとして大きく期待されています。

こうした背景のもと、日本とアジア太平洋地域の廃棄物管理・3R技術分野の連携と協力を促進するため、UNCRDは環境省と共催、UNCRD協力会、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)、地方自治体の拡大する廃棄物管理サービスのための国際パートナシップ(IPLA)の支援により、表記公開報告会を開催しました。報告会には、名古屋市内外の地方自治体、民間企業、公営企業、その他法人、学生、その他様々な分野から180名を超える参加がありました。

報告会では、アジア太平洋地域における3R及び廃棄物管理に関する現状とアジア太平洋3R推進フォーラムの設立背景、日本の3R推進に関する国際協力についての基調講演の後、2月に開催された第5回アジア太平洋3R推進フォーラムの成果概要が報告されました。

報告会の後半では、名古屋市、民間企業、NGOの代表から3R推進の取組みと経験について発表がありました。その後、北九州市、環境省の代表も交えて、第5回会合のテーマでもあった3R推進のためのパートナーシップ、とくに官民連携(PPP)を通じて技術移転を進める上での課題や参考になる事例について、会場からの質問・コメントを受けながらパネルディスカッションを行いました。

廃棄物管理サービスは、廃棄物の発生、分別、収集、回収した資源の販売など、製造者、販売者、消費者、そして政策まで多岐に渡る技術及びサービスであるため、日本の技術を単独で移転するだけではうまく機能、定着しないことが課題です。インドネシア・スラバヤ市との技術協力等国際協力の経験が豊富な北九州市からは、廃棄物は市民生活から発生するものであり社会的な要素が強くあるため、地域の文化や習慣をよく理解し、担当行政官の能力開発や分別等の政策・制度支援まで、技術及びサービスと制度構築をパッケージで展開することが重要である、という意見が出されました。

また、新しい政策、取組みを実施・推進する際には、市民の理解と協力が必要となります。この点についてNGOからは、行政、技術、地域のつなぎやくとしてNGOに期待されている役割は大きい、という話がありました。さらに、途上国で事業をビジネスとして展開する上で重要な視点として、「コミュニティーの活用」ということが挙げられました。日本に比べ、途上国におけるコミュニティーの存在感は大きく、廃棄物という市民生活に密着した課題に取組むには、このネットワークを十分に活用することが市民協力の効果的な動員につながるという意見が出されました。行政と住民の充分な対話機会を設けることの重要性についても語られ、ごみの新しい分別方法を導入する際に名古屋市が行った、2ヶ月間で2300回にも及ぶ市民との対話集会、説明会という市民の理解と協力を得るための積極的な姿勢は途上国の行政担当者にとって参考になるアプローチとして紹介されました。

参加者は、廃棄物管理をとりまくアジア太平洋地域の現状、技術協力の可能性、連携の多様性について広い視点から理解しました。地方自治体、市民活動、民間事業者等による3R推進の国際協力、海外展開は、環境省も国として積極的に支援する方向にあり、より現実的で実施可能な政策を展開するためにも多様なアクターの参加とあらゆる連携のあり方が求められています。こうした国際協力や連携を推進するにあたっては、IPLAのネットワークやアジア太平洋3R推進フォーラムの枠組みがひとつのツールとして有効であり、スラバヤ宣言に掲げられた重層的なパートナーシップを市民(NGO)、行政、民間企業のあらゆるレベルで推進していくことの重要性及び可能性が期待されています。UNCRDは、IPLAやアジア太平洋3R推進フォーラムを通じて、今後も多様なパートナーシップ構築を支援していきます。



時間プログラム講演者・パネリスト所属
13:30-13:40開会あいさつ高瀬千賀子UNCRD 所長
森岡仙太愛知県 副知事
13:40-14:10基調講演: 3R 推進においての日本の国際協力(英語)谷津龍太郎環境省環境事務次官
14:10-14:40アジア太平洋 3R 推進フォーラム第 5 回会合の報告(英語)チャウダリー・ルドラ・チャラン・モハンティ
UNCRD 環境プログラムコーディネーター
15:00-15:45名古屋市のごみ事情吉原純一名古屋市環境局ごみ減量部減量推進室
ビジネスセクターを廃棄物処理に取り組む: 民間企業から見た実情、制約 そして挑戦−アジア太平洋 3R 推進フォーラムと IPLA に対する主要メッセージ村平光士郎(株)熊本清掃社 バイオプラザなごや 代表取締役社長
アジア太平洋 3R 推進フォーラム第 5 回会合に於ける NGO フォーラム(サイドイベント)の報告崎田裕子アジア 3R 推進市民フォーラム 議長(持続可能な社会をつくる元気ネット 理事長)
15:45-16:55公開討論
モデレーター: IGES 小野川 和延、UNCRD CRC モハンティ
吉原純一名古屋市環境局ごみ減量部減量推進室
村平光士郎(株)熊本清掃社 バイオプラザなごや 代表取締役社長
崎田裕子アジア 3R 推進市民フォーラム 議長(持続可能な社会をつくる元気ネット 理事長)
櫃本礼二北九州市環境局環境国際戦略室長
大東淳環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課 循環型社会推進室
16:55-17:00閉会

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