国際ワークショップ「都市部における災害リスク軽減と強靭なコミュニティづくり」
2012年12月10日 - 12月14日
愛知、三重、宮城

台風、洪水、津波、地震、干ばつなどの自然災害の発生頻度は過去数十年において増加しており、自然および人為的災害は、社会設備、個人の生命・財産に対する重大な脅威となっています。また、こうした災害は、国、地域、都市およびコミュニティに対して社会、経済、環境への重大な影響を与え、持続可能な開発に関して大きな課題を提起するものです。


災害は世界各地で発生しますが、特に小島嶼開発途上国や後発開発途上国における被害のインパクトは甚大なものであり、貧困は災害リスクへの脆弱性を高める重要な要因となっています。これは、適切な政策が行われないまま急激な都市化が進んでいる開発途上国の都市部のコミュニティにおいて顕著です。


1985年に防災計画ユニットが国連地域開発センターに設立されて以来、地域に根付いた防災計画、地震に負けない学校づくり、住宅計画など、住民参加型で貧困とジェンダーに配慮したアプローチを進めてきました。これらの経験をもとに、防災計画ユニットでは、開発途上国で起きている都市部の急激な人口増加の問題に着目し、特にスラムやインフォーマルな居住地に焦点を当てた都市部での防災計画プログラムを進めています。スラムやインフォーマルな居住地における減災・防災プログラムは数少なく、これらのコミュニティを対象とした災害リスクや脆弱性の低減、防災対策や計画を立て、国家、地域、ローカルレベルでの政策やプログラムに反映させることが必要です。


このような背景のもと、本ワークショップは、「都市部における災害リスク軽減と強靭なコミュニティづくり」をテーマに世界の様々な貧困地域で防災計画に従事している国・自治体の職員、NGO職員らを対象に開催されました。アフリカ(ガーナ、ケニア、モザンビーク)、アジア太平洋(バングラデシュ、フィジー、ネパール、パプアニューギニア、フィリピン)、ラテンアメリカ(アルゼンチン、コロンビア)から10名が参加しました。


ワークショップの前半では、国土交通省中部地方整備局から「日本の防災対策」、愛知県防災局防災危機管理課から「愛知県の災害と防災対策」についての講義と、各参加者によるプレゼンテーションが行われ、技術的・社会的側面から防災について議論されました。そして三重県「輪中の郷」を視察し、日本の伝統的な輪中のシステムを学びました。その後、国土交通省の木曽川下流河川事務所を訪問し、「木曽川下流における防災対策」について講義を受けました。


ワークショップの後半では、東日本大震災で被災した宮城県を訪れました。まず、東北大学で「震災復興の取り組み」、「早期警戒システム」、「地震津波のリスク評価」などについて講義があり議論を行いました。その後、南三陸町、石巻市、女川町を訪れ、現地住民の方からのお話や特定非営利活動法人PARCICの担当者による集団移転や復興活動に関するお話を伺い、石巻魚市場や瓦礫処理施設を視察しました。参加者は、2011年3月の地震および津波によって驚くべき規模の損害を受けたこと、東日本大震災からの復興に向けた努力から教訓を得るだけでなく、東北地方の人々の災害からの復元力についても学びました。


参加者からは、高台への移転や防災のハード面の対策にかかる莫大な投資の持続性について疑問が呈されていましたが、今回のワークショップを通し、持続可能な都市計画、地域開発に沿ったコンパクトな町づくりのアプローチ、リスクの認識や防災教育などソフト面の対策に対する投資が総合的な防災管理においていかに重要であるかを学ぶことができました。

本ワークショップをベースに災害リスク軽減と強靭性の構築に焦点を当てた論文集の発行が予定されています。

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