第2回 環境的に持続可能な交通研修コース (2010)
2010年07月5日 - 08月20日
名古屋、京都、東京、富山ほか

背景と目的
UNCRDは、独立行政法人国際協力機構(JICA)と共催で、2004年度から5回にわたり都市環境と交通研修コースを実施し、都市環境と交通問題に携わる行政官を育成してきました。2009年度からは環境保全型交通体系(EST)を学ぶことを目的としながらも、より交通問題に焦点をあてた人材育成を行うこととなり、標記研修(全3回)を実施することになりました。研修生は帰国後上部組織や関係機関にアクションプランを提出し、ESTの政策や手法が自国で導入されることを目指しています。
研修期間
2010年7月5日−8月20日
研修場所
名古屋、京都、東京、富山ほか
研修対象者及び人数
フィリピン、ベトナム、スリランカおよびエジプトの4カ国からESTを担当する中堅行政官など計7名。
研修内容
UNCRDでは、ESTの主要な課題として、@健康への影響、A交通安全及び道路の意地、B交通騒音規制、C社会的公平とジェンダーの視点、D公共交通計画と交通需要管理(TDM)、E非動力交通(自動車などに依存しない交通)、F人と環境にやさしい都市交通インフラ、Gよりクリーンな燃料、H道路沿道環境モニタリング及び評価の強化、I自動車排出ガス規制・車検、J土地利用計画、K情報基盤の強化・啓発活動・市民参加の促進の12項目を挙げています。

第2回目となる今回の研修では、上記12項目についての専門家による講義や演習に加えて、行政機構、自動車製造工場、警察、自動車排気ガス測定局、リサイクルバイオ燃料化施設、研究機関、車検場および日本で初となる名古屋ガイドウェイバスや東部丘陵線(リニモ:リニアモーターカー)といった新交通システムを訪れ、講義や視察を行いました。昨年度の研修生の要望を反映して、研修期間も1週間延長、内容もさらに充実したものとなりました。

中日本高速道路鰍ナは、高速道路における騒音や振動対策などの様々な環境対策についての説明を受けた後、植田PR館と名古屋環状2号線の工事現場を視察した。また、今回初めて視察で訪れた富山市では、ドーナツ化現象により中心市街地の人口が減少した市におけるコンパクトシティへの取り組みについて講義を受け、公共交通の活性化によるコンパクトな街づくりの基本概念や導入効果などを学んだ後、市内環状線(セントラム)や富山ライトレールに乗車、次世代型路面電車システム(LRT)を体験しました。

研修中盤では、これまでの研修内容を振り返りつつ、研修生の間でESTに関する経験・技術的専門知識に関する意見交換や、マトリックスを使って過去・将来の自国のEST政策を整理する演習も行われました。研修の最後には、持続可能な交通の導入に向けてアクションプランが作成され、政策立案・策定内容の向上が図られました。

交通需要の増大は社会経済的な発展に不可欠ですが、環境保全と調和させていく必要があります。研修生には、自国の情勢を十分に踏まえた上でこの研修で学んだことを活かして問題解決を図り、それぞれの上部組織や関係機関に持続可能な交通政策についてのアクションプランの提出がなされ、さらに昨年度と同様の組織から参加した研修生については、昨年度の研修生と協力し、より有意義なアクションプランが上部組織に提出され、政策に結びついていくことが期待されます。

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