「人間の安全保障と都市開発」研修ワークショップ
2003年02月10日 - 02月14日
プノンペン(カンボジア)

UNCRDは2002年度から、カンボジアのプノンペン市とフィリピンのマカティ市およびナガ市との間のパートナーシップ形成を目指し、地方分権政策や人間の安全保障を重視した政策の立案など、フィリピンにおける開発経験をカンボジアに伝える南南協力を支援しています。今回のワークショップはこの支援の一環として開催され、プノンペン市のコミュニティレベルにおける人間の安全保障のための開発計画立案能力の向上を目指しました。ワークショップには、両国の政府機関から社会開発や社会福祉に関わる行政官や、カンボジア国内の7地域、プノンペン市内の13自治市町村から都市の貧困削減やスラムの改善・移転などに携わる関係者など、計34名が参加しました。

今回のワークショップでは、(1)人間の安全保障を確保する上での地方分権の果たす役割を再認識すること、(2)地方分権政策のもとでの社会サービスの提供の仕組みを理解すること、(3)カンボジアとフィリピン両国におけるスラム住民の環境改善と移転に関する問題について理解を深め、その解決策を模索すること、(4)フィリピンで先進的に取り組んでいるコミュニティの組織化・小規模金融・代替生計の経験を共有すること、(5)社会的弱者のニーズを反映できるような参加型開発手法について学ぶこと、が主な目的とされました。

ワークショップでは、講義や現地視察(計画演習)、グループ討論が行われ、講義では、カンボジアにおける地方分権に即し、人間の安全保障を重視した開発計画の立案方法、都市開発における脆弱性の分析と社会資本の管理、コミュニテイの組織化、都市部におけるスラム定住者の移転、などが取り上げられました。計画演習では参加者はスラム地区を訪れ、講義で学んだ都市開発の脆弱性の分析手法を用い、住民の生命や生活を脅かしている諸要因について調査しました。経済的な側面だけでなく、社会面、環境面からも分析し、またそれに対する住民の対処方法についても明らかにしました。

マカティ市およびナガ市の関係者による実践的な講義と、住民参加型都市開発を目的とした計画演習などを通じ、参加者はフィリピンの両市の経験を共有することができました。また、貧困削減のためには貧困層の人々自らが開発に関わり、彼らの意見が政策に反映されることが必要であると再認識しました。さらに、人間の安全保障の概念を開発政策や事業に取り入れていくことの重要性についても学びました。

今後、プノンペン市の行政官と貧困層を含む住民一人一人が、貧困削減のために互いに理解し合い協働作業を行うことによって、人間の安全保障を考慮に入れた開発政策を実施していくことが期待されます。UNCRDは今後も、3市間におけるパートナーシップの形成、および人間の安全保障を重視した地域開発の推進を支援していきます。

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