地域開発 - 社会的課題(人間の安全保障)
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社会的課題
第15回バンコク都行政管理プログラム訪日研修
2015年08月16日 - 08月19日
愛知県、豊田市、京都市、大阪市

背景と目的
著しい経済成長を遂げるタイの首都バンコクでは、都市機能が一極集中しており、急速な都市化と経済成長の結果、交通渋滞、大気汚染、廃棄物問題、住宅不足といった様々な問題に直面しています。これらの課題に対して、バンコク都は包括的な視点をもって対策を講じることが求められています。こうした状況の下、バンコク都では、将来行政運営の中核を担うことが期待される中堅幹部職員を対象に、バンコク都行政管理プログラムという3ヶ月間の研修(国内研修+海外研修)を実施しています。第15回を迎える今回の海外研修については、バンコク都研修開発機構(Training and Development Institute)の協力要請を受けて、UNCRDが担当することになりました。

主催
UNCRD、バンコク都庁

研修対象者および人数
バンコク都庁職員76名
団長:クリダー・クランターノン バンコク都副次官

研修内容および成果
今回の研修プログラムは、「政策・戦略(づくり)」「環境的に持続可能な交通」「持続可能な観光振興」「都市再生」の4つのモジュールで構成され、都市や地域の課題解決に向けた先進的な取り組を学ぶため、愛知県、豊田市、京都市、大阪市の各地方自治体を訪れました。また、職員の方との意見交換の時間を多く設けることで、日本の知見経験や経験ノウハウから学ぶだけでなく、バンコク都と日本の地方自治体の双方向の気づき意見交換や学び新たな知見の習得につながるよう心掛けました。

モジュール1「政策・戦略」では、愛知県より「あいちビジョン2020」の内容や策定プロセスについて説明を受け、社会経済環境の変化が著しい中での長期計画の果たす役割、住民の意見をいかに計画に反映するのか、さらにはタイが近い将来直面するであろう高齢化について質疑応答が行われました。モジュール2「環境的に持続可能な交通」では、低炭素社会構築に向けた取組みを学ぶため、豊田市の「とよたエコフルタウン」を訪れました。低炭素社会構築のための豊田市の取組みについて説明を受けた後、超小型電気自動車などの貸出拠点となっているスマートモビリティパーク、HEMS(Home Energy Management System)や太陽光発電、蓄電設備を兼ね備えたスマートハウス、燃料電池自動車に水素を供給する水素ステーション等を見学しました。バンコク都は現在、温室効果ガス削減に向けて積極的に取り組んでいることもあり、見学中多くの質問が出され、関心の高さが伺えました。

モジュール3「持続可能な観光振興」では、旅行雑誌「Travel + Leisure(トラベル・アンド・レジャー)」の世界の人気都市を決める「ワールドベストシティ」ランキングで、2014年日本の都市で初めて1位になった京都市が、2010年から2013年まで1位であったバンコク都と、お互いの観光振興施策について学び、持続な可能な観光開発のあり方について意見交換を行いました。団長のクランターノン副次官は、「国内の政情不安や自然災害に対する弱さといった課題を克服して、京都市のおもてなしの心と、安全への取組みから学びたい」とする一方、京都市は、「バンコク都のほほ笑みで観光客を迎える姿勢に学びたい」として、お互い今後の抱負を語りました。モジュール4「都市再生」では、大阪市を訪れ、うめきた地区、中之島地市区 、御堂筋地区で実際に進められている再開発プロジェクトについて学びました。これらのプロジェクトにおける行政の役割は、民間主導の投資を好ましい方向へ規制・誘導する一方、都市基盤の整備に徹することの説明に、伝統的建造物への対処や環境アセスメントに関する手続き、地域住民と事業者とのトラブル等について質疑応答が交わされました。

日本での研修を終え帰国した研修生は、引き続きバンコク都行政管理プログラム国内研修に参加、日本で学んだ事例についてグループに分かれて事例分析を行い、分析結果を発表しました。また日本の研修で学んだ知識や手法や新たに得た見識や知識を、各研修生の職務にいかに活用する課かについての議論も行われました。テーマごとにまとめられたレポートは、バンコク都庁研修開発機構を通じて、UNCRDに提出されました。研修修了時に実施したアンケートでは、研修生からバンコクの実状やニーズに合致した研修プログラムであるとの意見が多く見受けられる一方、時間が短かったという意見もあり、限られた時間の中でいかに効果的に研修を行うかは今後の課題です。UNCRDは引き続きこうした人材育成を通じて、バンコク都を始め途上国の地方自治体の持続可能な開発を支援します。

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